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戦国武将に注目 ルトワック氏の「戦争にチャンスを与えよ」 [読書]

エドワード・ルトワック氏の「戦争にチャンスを与えよ」を読みました。
逆説的な持論「パラドキシカル・ロジック(逆説的論理)」は、戦略家として戦争を起こさないための究極の理論なのかなと思いました。

過去の戦いを、イデオロギーや主観によらず「現象」として見た時に、「戦争が平和につながり、平和が戦争につながる」ということ、また圧倒的に優位に思えた戦いに負ける、その予測不可能な戦いの勝敗を決定付けていくものを明らかにしているのが本書だと思います。
わたしは、3つのことに注目しました。

1、戦国武将論
戦国武将の武田信玄、徳川家康、織田信長を分析していますが、戦における勝敗のポイントを見ています。
つまり信玄を「完璧な戦術家」、家康を「最高の戦略家」、そして信長は「『戦術』と『戦略』を併せ持つ作戦家」と見て、評価しています。
信玄の「風林火山」、家康の「同盟」、信長の「規律」、これらは軍事の果実とも言えるもので、戦国時代は武士を極めていく時代だと感じていたわたしにとって納得できるものでした。
ある意味、この戦国時代は「戦争にチャンスを与えよ」の日本モデルかもしれません。

2、英国の強さ
英国のブレグジットは、メイ首相の出現で力強い英国を印象付けました。
その強さは何処から来るのか、気になっていたのですが、ルトワック氏は次のように述べています。

【引用】
イギリスは、強力な「規律」を持ち、「戦略」にそれが不可欠であることを知っていた。「大戦略」のためには、時に極めて不快なことも受け入れる必要があることを知っていたのである。ワーテルローの戦いが、その一例だ。
146ページ

ワーテルローの戦いとは1815年、当時のオランダ領ベルギーのワーテルローで行われた英国・オランダを中心とした連合軍とナポレオン率いるフランス軍との戦闘で、フランス軍が敗北し、ナポレオン最後の戦闘になった戦いです。

ルトワック氏は、英国はナポレオンとの決戦を前にして同盟工作を行ったことを挙げ、ナポレオンが「ライオン」であれば、英国が集めた同盟は「猫と犬」による同盟であったと指摘しています。ナポレオン軍12万人に対し、英国が集めた人員は23万人。
装備も兵力も貧弱で訓練も十分ではないうえ忠誠心もないそのような小国集団でも、十分な数が集まれば勝つことができる、そのことを示した戦いだとしています。
余談ですが、英国も動物に例えると「ライオン」だそうです。

これは、信長の「長篠の戦い」に通じるのですが、ルトワック氏は信長が行った用兵上の革新に注目し、農民に銃を持たせたことを指摘しています。信長の軍隊に「強い規律」があったからこそ統率が可能だったのであり、そこには忍耐と不屈の精神があったと分析しています。
英国にしても信長にしても、トップが重要だということはわかりますね。

ルトワック氏のご自身も体験された話の中で、英国貴族は「暴力を学ぶ」とありました。
英国は、「暴力」への理解が違うというのです。英国にとって「暴力=悪」ではなく、そこからエリートたちは多くのことを学んでいるということです。

この辺の話は、戦後の平和主義に毒されてきた日本にとっては理解しがたい話ですが、英国はそういう暴力から「目を背けない」という言葉も印象的でした。
七つの海を制覇した英国、戦争巧者の英国だからこそなのかもしれません。
その伝統は「暴力への理解」としてエリートに受け継がれている、だから英国は強い、ということなのでしょうか。

3、「男は戦いを好み、女は戦士を好む」
この言葉は、わたしにとっても逃れられない事実だと思いました(笑)
戦争を避けたいから、世界情勢が気になると言えるからです。

ルトワック氏は「生命の法則」としてこの言葉を紹介していますが、トランプ氏には未来があり、CNNのアンカー、アンダーソン・クーパーはイケメンだがゲイで子どもがいない、と紹介していました。

いずれにしても非常に骨太の「大人の戦略論」でした。

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